島の木が建具や家具としてだけの材料ではなく、構造材として活用できる可能性が出て来た。
沖縄の一般的な住宅では台風やシロアリ被害を心配して、木造建築を選択から除外する人も少なくありませんが、沖縄の木材は現在でも伝統古民家の柱や梁によく使用されていて、築100年程であっても十分な強度を残していると言います。
近年は島材の「基準となる材料強度」が確立されていないために、信頼性のある構造計算が出来ず、建築構造部材として使用する為の障壁となり、家具や内装材としてのみの使用用途に留まっているのが実情です。
沖縄建設新聞で琉球大学工学部環境建設工学科カストロ ホワン ホセ教授の研究により、リュウキュウマツ、イタジイ、イジュ、イヌマキ、オキナワウラジロガシの5樹種について曲げ試験と、縦圧縮試験を行ったとの教授の論壇を見つけた。
針葉樹であるリュウキュウマツ、イヌマキはベイマツ、ヒノキ等以上!
広葉樹であるイタジイ、イジュ、オキナワウラジロガシはカシ、ブナ等程度にほぼ相当する力学特性を持っていることが確認されたと言う。
この事は、昔からうちなーんちゅが経験的にその強度を信頼して利用して来たことに合致する。
それによりオキナワウラジロガシを首里城再建に主要構造部材として使用する事も予定しているという。
県産木材を使用した首里城がより、その文化的価値を高め、それをきっかけにその建設や維持保全に貢献できることは素晴らしい。
今後、これらの島材が県や自治体の後押しを受け、流通し、一般の木造住宅の構造材としても使用され、持続可能なデザインとして、建築材として末長く活用される流れになって欲しい。
イタジイ、イジュの林が出来、オキナワウラジロガシの山が、林ができ、その実である日本一大きなドングリが実る島の風景を想像しただけでワクワクする。
(株)前木組 代表取締役 前木繁孝
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